レーザー測距用小型リフレクター|石敏鐵工株式会社

石敏鐵工株式会社はJAXA発 Mt.FUJIの技術を用いた
「レーザー測距用小型リフレクター」の製造・販売を開始します。

今回、JAXAよりライセンス供与された小型リフレクターは、従来の衛星ミッションごとの特注品（海外製）のデメリットである「高い・大きい・重い」を、低軌道用に特化させることで『安い・小さい・軽い』を実現したものです。
当社のCubeSat構体製造における実績および、Mt.FUJIならびにmini-Mt.FUJIの製造経験を活かし、石敏鐵工株式会社製のSLR用小型リフレクターを、「JAXA LABEL TECH」ブランドとして販売いたします。

スペースデブリにタグ付けを。
未来の事故を防ぐ SLR用小型リフレクター

軌道の混雑と衝突リスクが増す中、今こそリフレクターの搭載が必要です。
本製品は低コストな軌道監視手段として、宇宙機の位置把握と衝突回避に貢献します。

衛星軌道を高精度 mm単位で測定可能
　小型・軽量・安価なリフレクター

筐体のサイズや機能によって
2つのサイズが選べます。

衛星レーザー測距とは？

衛星レーザー測距（Satellite Laser Ranging:SLR）とは、衛星に取り付けられたリフレクターに向けてレーザーを照射し、その往復時間を計測することで、地上局と衛星間の距離を測定するシステムです。SLRは1cm以下の高い精度で距離を測定できるため、衛星の精密軌道決定やGNSS受信機の校正、地球重力場の観測、衛星が持つ原子時計の時刻管理などの用途で活用されています。

人工衛星の位置を
ミリ単位で測定可能！

近年、宇宙の商用利用が進む中で、軌道上の混雑と衝突リスクが国際的な課題となっています。その対策として、宇宙の状況を正確に把握するための観測手段が求められており、従来のレーダーや望遠鏡に加えて、SLR（Satellite Laser Ranging）が注目されています。SLRは、人工衛星などに搭載された反射器に向けて地上からレーザーを照射し、その往復時間を測定することで、地上局と衛星の距離をmmオーダーで把握できるシステムです。この高精度な測距により、軌道の正確な追跡が可能となり、衝突回避や宇宙状況監視に貢献します。

つくばSLR局　©JAXA

参考画像 / CE-SAT IEに搭載された Mt. FUJI　©JAXA

出典元：https://track.sfo.jaxa.jp/project/mtfuji.html

SLR用小型リフレクターで実現する理想の宇宙環境

©JAXA
出典元：https://track.sfo.jaxa.jp/project/mtfuji.html

スペースデブリ（宇宙ゴミ）除去で宇宙版SDGs

宇宙開発が始まって65年が経ち、人類は10cm以上のスペースデブリを約2万5,000個も宇宙空間に生み出してきました。これらのスペースデブリは高速で飛行しており、人工衛星にわずかに接触するだけでも深刻な被害を与える可能性があります。そのため、スペースデブリの軌道を正確に把握することがますます重要になっています。特に混雑の進む地球低軌道では、SLR（衛星レーザー測距）用の小型リフレクターが有効です。これをロケット上段や人工衛星に搭載しておけば、物体がスペースデブリになった後でも軌道を追跡できます。軌道を正確に把握できれば、運用している衛星は必要最小限の操作で衝突を回避できます。また、スペースデブリの姿勢が分かることで、将来的な除去作業にも役立ちます。

石敏鐵工製
SLR用小型リフレクター概要

●7個のCCR(Corner Cube Reflector; 入射光を来た方向に再帰反射する特殊なプリズム)を具備しており、1器あたりの視野角は45度
●手のひらサイズ (XProは直径112mm、miniは62mm)
●高度800km以下、miniは高度500km以下が対象高度
●販売価格：オープン ※詳しくはお問い合わせください。

小型リフレクター外観

CCR外観

超小型リフレクターの取り付け例

品名	小型リフレクター	超小型リフレクター
型番	SLR-IS-Xpro	SLR-IS-mini
対象高度	≦800km	≦500km
直径	112.0mm	62.0mm
体高	32mm	17.5mm
質量	262g	46g
CCRサイズ	1 inch	0.5 inch
CCR個数	7個	7個
1器の視野角	45度（CCR1個あたり約15度）
材質	本体：アルミニウム CCR：合成石英　緩衝材：PTFE,PFA